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小倉織・築城則子さんを訪ねて

2011.05.01

梅雨らしい雨の一日、北九州市在住の工芸家、
かねてあこがれの小倉織 築城則子さんを訪ねました。
植物染料採取の折に出逢ったという
山のどん突きにある空家を気に入り、工房にしているそうです。
緻密な織の背景には驚きの自然がありました。

小倉織はその昔、武士の袴や学生の袴に使われていた木綿の織物です。
一度途絶えていたものを築城さんは古裂を頼りにお一人で復元されました。

小倉織の特徴は極細の木綿糸にあります。
経に約2200本から2400本の糸を入れているため、なんと緯糸が見えません。
ゆえに、織でぼかしが表現できるのです。
木綿糸独特のマットな艶も大きな魅力です。
その小倉織に築城さんの美的感性が重ねられ
美しい色相いの端正な帯が生まれました。
また築城さんの作品には「光源がどこからきているのか」を感じさせる、
不思議な透明感があります。

うっそうとした緑に囲まれた工房の入口。

こんにちは! 築城則子さんです。
(うわさ通りの美人工芸家!)
作品と同じに、キッパリとしてカッコイイ!!!

草木で染められ、出番を待つ極上の木綿糸たち。
染め上げ後、すぐには使用せず、寝かせて定着をさせるそうです。
同じ染液で十数段回に染め分け、絶妙なグラデーションを作るそうです。

ドラム式の整経台を使うことで、デザインのイメージをつかみやすいそうです。

今まさに織り始めた新しい帯、なんとも艶っぽい縞でした。
「縞が好き」と築城さん。

お庭に咲いていた「雪の下」。

見送ってくださった、可愛らしいお弟子さんたち。
ありがとう、さようなら!
この旅で「あこがれ」は「尊敬」に変わりました。