宝物
2018.02.14
きものサロン逸美は小さな店ですから、あれこれと多種多様なニーズには対応できず、
店主の私が自信を持ってご紹介できる本物志向の作品にこだわり品揃えをしております。
しかしながら今日、時代の変化は著しく手工芸としての知識、美意識、価値観をお持ちの着物ファンは減少の道を辿っているのが現状です。
経営者としての日々、「もっと安価なほどほどの品物にシフトすべきかしら、、、」と迷うこともあります。
そんな昨年の暮れ、ひとりの御贔屓さまからクリスマスプレゼントと共に、このようなお手紙を頂戴いたしました。
逸美が現在の高崎駅近くに移転して以来12年間、ずっと変わらぬご愛顧をいただいている、目利きのお客様です。
お仕事帰りにお立ち寄りくださり、「何かないの?」とプレッシャーを与えてくださるお目付け役でもあります。
短い文面ながら、そこには私の苦悩を察した励ましのお言葉がありました。
「素晴らしい品々を揃えて下さり感謝です。
信じる道をまっしぐらに進んでください。
楽しみにしています。」
日頃よりご信頼下さるお客様の黒子に徹し、お客様の人生が輝くようお力添えさせていただくことを生きがいと努めておりますが、これからもなお一層精進して行こうと励まされた、私の宝物になったお手紙です。