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染織家 笠原博司さんを訪ねて

2018.09.25

暑かった夏も終わりかけた九月上旬、約一年ぶりに宮城県加美郡にお住いの、国画会会員笠原博司さんを訪ねました。昨年お約束をしていた個展開催を来月に控え、最終打ち合わせを兼ねていました。


東北新幹線古川駅から車で小一時間行った、自然豊かな里山に囲まれた田園地帯に「工房 藍學舎」はあります。
物づくりへの頑固さとはうらはらな、穏やかな口調の先生とゆっくりお話をしながら工房まで走りました。


笠原博司さんは松本市の染織家 本郷大二、孝文さんに師事、現在故郷の宮城県にて制作を続ける染織作家です。その作品は展覧会や個展のみで発表されるだけで、問屋さんを通し一般に出回らない稀有な作家です。
平成18年には国画会80回記念賞を受賞。これは10年に一人が受賞できる特別なものです。


まるで蚕が繭をつくるように、ヒソヒソと、手工芸独特のゆっくりとした刻に磨かれながらその作品は作られています。
ファッションとしての美しさはもちろん、体に添う着心地の良さを信条に真摯な取り組まれる生き様に、ただただ敬服いたします。
特に研究テーマとして取り組まれている桜は、「藍學舎の桜色」といわれ評判です。有難いことに、「会期までになんとか織り上げます、、、」と山桜で染められた艶やかな糸がスタンバイされていました。どんな表情の美しい作品になって生まれるのか、楽しみです。


10月19日より21日までの三日間開催させていただく個展では、先生が一年かけて織りためてくださった絵羽、着尺、帯、それぞれ数点をお披露目させていただきます。
また、21日には笠原先生がご来店下さりギャラリートークを開催予定です。

DM制作の為にカメラマンのところへ行っている着物や帯はご覧いただけませんが、先生の織物の一端として、巾着に仕立てられた布をご覧ください!(笑)


どうぞお楽しみに、ご期待くださいませ!